サンエスエンジニヤリング合同会社

モンキーレンチの基本|掛かり方を見てから力を掛ける

モンキーレンチの基本|掛かり方を見てから力を掛ける

モンキーレンチの基本|掛かり方を見てから力を掛ける

2026/05/21

現場で差がつく道具の使い方講座②

モンキーレンチの基本|掛かり方を見てから力を掛ける

便利な工具ほど、雑に使うと部材を傷めます。大事なのは、回す前に「正しく掛かっているか」を見ることです。

こんにちは。サンエスエンジニヤリング合同会社です。

木曜日の技術ブログでは、現場で使う道具の扱い方を、基本から一つずつ整理しています。

前回はドライバーの基本を取り上げました。今回は、モンキーレンチです。

モンキーレンチは、口幅を調整できる便利な工具です。いろいろなサイズのナットやボルトに対応できるため、現場でも出番の多い道具です。

ただし、便利だからこそ「なんとなく掛けて、なんとなく回す」使い方になりやすい工具でもあります。ここを雑にすると、ナットの角を傷めたり、工具が滑ったり、あとから余計な手間が増えたりします。

今回のポイント
  • 口幅を対象物に合わせる
  • 先端だけでなく、口の奥までしっかり掛ける
  • ガタが残っていないか、力を掛ける前に見る
  • 点ではなく、面で受ける
  • 二本の工具を使うときは、母材を挟んだ力の逃げ方を見る

図で見るポイント①|ナットは点ではなく面で受ける

モンキーレンチの正しい使い方。口幅を合わせ、奥まで掛けて、ガタをなくし、面で受けることを示した図解
口幅を合わせ、奥まで掛け、ガタをなくす。ナットは角ではなく、面で受ける意識が大切です。

1.まず見るのは、力ではなく口幅です

モンキーレンチで最初に見るのは、力の掛け方ではありません。まずは、対象物に口幅が合っているかです。

ナットやボルトに対して口幅が広いまま掛けると、工具がわずかに動きます。その状態で力を掛けると、工具が滑ったり、ナットの角を傷めたりしやすくなります。

ここで大事なのは、「入ったから回す」ではなく、回す前に掛かり方を見ることです。

2.先端だけでなく、口の奥まで掛ける

モンキーレンチは、先端だけをちょこんと掛けて回す工具ではありません。

口の奥までしっかり差し込み、ナットやボルトの面にきちんと当たっているかを確認します。浅く掛けた状態では、力を掛けた瞬間に工具が逃げやすくなります。

特に固いものを緩めるときほど、先に力を足すのではなく、掛かり方を見直す方が安全です。

3.ガタが残っていないか、もう一度見る

口幅を合わせたつもりでも、実際にナットへ掛けると、少し遊びが残ることがあります。

そのまま回すと、工具が動いた分だけ角に余計な力が掛かります。これが、ナットをなめる原因になります。

だから、掛けたあとにもう一度、ガタがないかを見る。このひと手間で、作業の確実さはかなり変わります。

4.点ではなく、面で受ける

ナットやボルトは、角を引っかけて無理に回すものではありません。

モンキーレンチも同じで、角に力を集中させるのではなく、面で受ける意識が大切です。斜めに掛かっていたり、先端だけで当たっていたりすると、力が逃げるだけでなく、相手側を傷めやすくなります。

現場では、早く回すことよりも、傷めずに回せることを優先します。あとから戻せない状態にしないためにも、当たり方を見てから力を掛けることが重要です。

5.回す向きも、掛かり方とセットで見る

モンキーレンチには、回す向きにも基本があります。一般的には、可動する下あご側へ回す使い方が基本とされています。

ただし、現場で大事なのは「向きだけを暗記すること」ではありません。口幅が合っているか、奥まで掛かっているか、ガタがないか、面で受けているか。その確認とセットで考える必要があります。

向きだけ合っていても、浅掛けやガタありでは意味がありません。逆に、掛かり方が怪しいと感じたら、無理に続けず、工具の選定も含めて一度見直します。

図で見るポイント②|二本の工具を使うときは、母材を挟んで考える

二本の工具を使うときの考え方。上のスパナ、母材、下のスパナの関係を見る図解
二本の工具を使う場合は、上のスパナ・母材・下のスパナの位置関係を見て、回す側と受ける側を分けて考えます。

6.二本の工具を使う場合は、母材を挟んで考える

現場では、片側だけを回そうとすると、相手側や母材に無理な力が掛かる場面があります。

そういうときは、二本の工具を使って、回す側と受ける側を分けて考えます。大事なのは、工具を二本使うこと自体ではなく、母材を挟んで、力がどこへ逃げるかを見ることです。

上側の工具、母材、下側の工具。この位置関係を見ずに無理な角度で掛けると、力が入りにくいだけでなく、部材を傷めることもあります。工具の角度を開きすぎず、掛かり方を見てから作業することが大切です。

やってはいけない使い方

  • 口幅が合っていないまま回す
  • 浅く掛ける
  • ガタがあるまま力を掛ける
  • 角だけに当てて無理に回す
  • 斜めに掛けたまま続ける
  • パイプで延長する
  • 叩いて衝撃を加える

まとめ

モンキーレンチは便利な工具です。ただし、便利な工具ほど、掛かり方を見ないまま使うと相手を傷めます。

今回のポイントは、次の5つです。

  • 口幅を対象物に合わせる
  • 口の奥までしっかり掛ける
  • ガタを残さない
  • 点ではなく面で受ける
  • 二本の工具を使うときは、母材を挟んだ力の逃げ方を見る

現場では、早く回せることより、傷めずに回せることが大切です。よく使う工具だからこそ、基本を雑にしない。そうした積み重ねが、建物を長く守る仕事につながります。

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